金属床義歯
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- STEP 1診査・型取り
- 患者さまのお口の状態を精密に診査し、金属床義歯の作製に必要な精密な型取りを行います。
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- STEP 2噛み合わせの記録
- 噛み合わせの位置を正確に記録します。これにより、噛んだ時の安定性を高めます。
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- STEP 3試適・調整
- 完成した入れ歯を実際に装着していただき、痛みや噛み心地などを確認しながら、細部を丁寧に調整します。この工程を複数回にわたって行い、最もフィットする状態を目指します。
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- STEP 4完成・装着
- 最終的な調整が完了した後、完成した金属床義歯を装着します。
「食事を心から楽しみたい」と願う方へ

「入れ歯が分厚くて、口の中が狭く感じる…」
「温かいスープも、冷たいアイスも、温度がよく分からなくて…」
「人前で話すとき、滑舌が悪くなっていないか気になる…」
もし、今お使いの入れ歯にそうした不満や悩みを抱えているなら、その原因は入れ歯の「素材」にあるのかもしれません。
保険診療で使われる入れ歯の多くはプラスチック製で、強度を保つためにどうしても厚みが出てしまいがちです。
その結果、口の中で大きな違和感を感じたり、食べ物の温度が伝わりにくかったりすることがあります。
金属床義歯は、入れ歯の主要な部分に金属を用いることで、従来のプラスチック義歯とは一線を画す「薄さ」「快適性」「機能性」を実現します。
金属床義歯とは?その3つの大きな特長
金属床義歯は、入れ歯の「床(しょう)」と呼ばれる、歯ぐきに密着する部分を金属で作製した入れ歯です。
プラスチック製の入れ歯と比較して、主に以下の3つの特長を持っています。
特長1:口の中が広々と感じる「薄さ」

金属はプラスチックに比べて非常に強度が高いため、入れ歯を薄く作ることが可能です。
違和感を軽減
従来のプラスチック義歯の約3分の1の薄さで作製できるため、お口の中が広くなったように感じ、違和感が少なくなります。
発音のしやすさ
入れ歯の厚みが軽減されることで、舌の動きが自由になり、発音や滑舌が改善されやすくなります。
装着感の向上
従来の入れ歯が重く感じていた方も、より軽く、快適な装着感を得られる可能性があります。
特長2:食事の温度が伝わる「熱伝導性」

金属は熱が伝わりやすいため、温かい食べ物や冷たい食べ物の温度が、入れ歯を通じて歯ぐきに伝わります。
食事の楽しみ
食事本来の温度をしっかりと感じられるようになり、食事の満足度が向上します。
温度による安心感
熱いものを口に含んだ際も、温度を感じられるため、火傷の予防にもつながります。
特長3:丈夫で長持ちする「耐久性」

金属床義歯は、プラスチック義歯に比べて非常に丈夫です。
割れにくい
噛む力が強く加わっても割れにくく、長期間にわたって安心してご使用いただけます。
変形しにくい
金属は変形しにくいため、入れ歯の形が安定しやすく、噛み合わせの変化が少ないです。
修理の軽減
壊れにくいため、修理や作り直しの頻度を減らすことができます。
当院が提供する金属床義歯の種類
当院では、患者さまのニーズやご予算に合わせて、主に2種類の金属床義歯を取り扱っています。
どちらの素材が適しているかは、患者さまのお口の状態や、金属アレルギーの有無などを考慮して、専門的な診断の上でご提案します。
コバルトクロム義歯
コバルトクロムは、金属床義歯の中でも最も広く使用されている素材です。
強度と費用、そして加工のしやすさのバランスが取れています。
耐久性が高く、熱伝導性も優れているため、多くの患者さまにご満足いただいています。
価格: 330,000円(税込)
チタン義歯
チタンは、航空機や宇宙開発にも用いられるほど優れた特性を持つ金属です。
コバルトクロム義歯よりもさらに軽量で、お口の中に入れた際の違和感をより少なくできる可能性があります。
また、生体適合性が高く、アレルギー反応のリスクが比較的低いとされています。
価格: 390,000円(税込)
「金属床+ノンクラスプ」|見えない入れ歯で、美しい口元と快適な生活を

「部分入れ歯の金属のバネが、笑った時に見えてしまう…」
「見た目が気になって、人前で口を開けるのがためらわれる…」
「薄くて違和感が少ない入れ歯にしたいけど、審美性も機能性も諦めたくない…」
そんな風にお悩みは「金属床+ノンクラスプ」という選択肢で解決できるかもしれません。
これは、入れ歯の主要な部分に金属を使う「金属床義歯」と、金属バネを使わない「ノンクラスプデンチャー」の利点を組み合わせた入れ歯です。
見た目では入れ歯と気づかれにくく、機能面では従来の入れ歯にはない薄さと快適性を実現します。
「金属床+ノンクラスプ」とは?
「金属床+ノンクラスプ」は、以下の2つの技術を融合させた入れ歯です。
ノンクラスプデンチャー
入れ歯を支えるための金属の金具(バネ)を使用しません。
表側の見える部分は歯ぐきと同じ色の特殊な樹脂で留め具を作るため、入れ歯だと気づかれにくく、自然な見た目を保つことができます。
金属床義歯
入れ歯の土台(床)を金属で作製することで、強度を高め、非常に薄く作ることが可能です。
これにより、違和感が少なく、食べ物の温度を感じやすい入れ歯になります。
組み合わせるからこそ得られるメリット|それぞれの単体と比較
「金属床+ノンクラスプ」が持つメリットは、単体の金属床義歯やノンクラスプデンチャーにはない、両者の良いところを掛け合わせたものです。
比較項目 | 金属床+ノンクラスプ | ノンクラスプデンチャーのみ | 金属床義歯のみ |
---|---|---|---|
審美性(見た目) |
非常に高い(金属バネが見えない) |
非常に高い(金属バネが見えない) |
やや劣る(歯に固定する金属のバネが見えることがある) |
耐久性(強度) |
非常に高い(金属床で補強) |
やや劣る(樹脂のみのため、金属床に比べ割れやすい) |
非常に高い(金属床で補強) |
薄さ・違和感 |
非常に優れている(金属床により薄く作製可能) |
やや劣る(強度を保つためにある程度の厚みが必要) |
非常に優れている(金属床により薄く作製可能) |
上記のように、「金属床+ノンクラスプ」は、ノンクラスプデンチャーのデメリットである「耐久性の弱さ」を、金属床のメリットである「高い強度」で補うことができます。
また、金属床義歯のデメリットである「見た目が目立つ可能性」を、ノンクラスプのメリットである「優れた審美性」で改善します。
この組み合わせによって、見た目、耐久性、快適性といった、入れ歯に求められる主要な要素を高いレベルで満たすことができるのです。
金属床義歯はこんな患者さまにおすすめです
以下のようなお悩みを抱えている患者さまに、金属床義歯は良い解決策となる可能性があります。
症例1:滑舌と仕事の悩みを抱えていた患者さま(60代・男性)

お悩み
現在の総入れ歯が分厚く、話しにくい。
特に「サ行」がうまく発音できず、仕事での会話に支障を感じていました。
診断と治療
診査の結果、入れ歯の厚みが発音の妨げになっていると判断。
チタン製の金属床義歯をご提案しました。チタンは非常に軽いため、違和感も少ないとご説明しました。
結果
入れ歯が薄く軽くなったことで、舌の動きがスムーズになり、滑舌が改善されました。
仕事でも自信を持って話せるようになり、「もっと早く相談すればよかった」と話してくれました。
症例2:食事の楽しみを失いかけていた患者さま(70代・女性)

お悩み
以前から入れ歯を使用しているが、食事の温度がまったく分からず、熱いものが冷めていることに気づかないことがあった。
食事が味気なく感じていました。
診断と治療
金属の熱伝導性の高さを活かすため、コバルトクロム製の金属床義歯をご提案しました。
熱が伝わることで食事をより楽しめるようになることをご説明し、ご納得いただきました。
結果
温かい飲み物や、冷たいデザートの温度をしっかりと感じられるようになりました。
「食事に季節を感じられるようになり、食事が心から楽しみになった」と喜んでいただけました。
症例3:人前で口元を隠していた患者さま(50代・男性)

お悩み
部分入れ歯の金属バネが見えるのが嫌で、人前で口を開けることに抵抗があった。
口元を隠す癖がついていました。
診断と治療
審美性を重視したいというご要望に応え、ノンクラスプデンチャーと金属床義歯を組み合わせた「コラボ義歯」をご提案。
金属のバネがないことで見た目を改善しつつ、金属床で耐久性と薄さを確保する治療計画を立てました。
結果
口元を気にすることなく、人前でも笑顔で話せるようになりました。入れ歯が薄くて丈夫なため、違和感も少なく、快適に過ごせるようになりました。
金属床義歯の治療の流れ
入れ歯の治療に入る前に、検査をして、診査診断します。
治療回数・費用
治療費用 |
(コバルトクロム)330,000円(税込) |
治療回数 |
3回から10回程度 |
治療のリスク・副作用 |
違和感: 治療直後は、新しい入れ歯に慣れるまで違和感を感じることがあります。 |