アタッチメント義歯

「入れ歯がすぐにズレてしまって、食事に集中できない…」
「口を開けたときに、入れ歯だとバレるのが嫌…」
「もう一度、しっかり噛める喜びを味わいたい…」
このように、入れ歯の「安定感」や「見た目」に悩みを抱えている方は少なくありません。
そのような方には「アタッチメント義歯」がおススメです。
アタッチメント義歯は、残っている歯に特殊な装置(アタッチメント)を組み込み、入れ歯をしっかり固定する治療法です。
従来の入れ歯にはない高い安定性と審美性を両立させることができます。
アタッチメント義歯とは?|入れ歯の常識を変える、革新的な固定方法

アタッチメント義歯の最大の特徴は、従来の入れ歯のように金属のバネ(クラスプ)で歯にひっかけるのではなく、特殊な装置(アタッチメント)を使って固定する点です。
このアタッチメントが、入れ歯のズレやガタつきを劇的に減らし、ご自身の歯のような安定感をもたらします。
硬いものも臆することなく噛めるようになり、食事の選択肢が広がります。
アタッチメントには、患者さまのお口の状態やご希望に応じて、下記のような種類があります。
磁性アタッチメント
残った歯の根に磁性金属を、入れ歯に小型の磁石を埋め込み、磁力で固定します。
着脱が非常に簡単で、お口のケアがしやすいのが特長です。
一方で、他のアタッチメントに比べて固定力がやや弱いため、噛む力が強い方には不向きな場合があります。
ロケーターアタッチメント
残った歯やインプラントに突起をつけ、入れ歯の裏側にゴムリングを埋め込み、スナップボタンのように固定します。
強固な固定力が得られ、入れ歯のズレがほとんどありません。樹脂製の部品は交換可能で、長期的なメンテナンスにも対応しやすいです。
一方で、磁性アタッチメントに比べて、着脱に少し力が必要な場合があります。
アタッチメント義歯のメリット
アタッチメント義歯は、従来の入れ歯とは一線を画す、様々なメリットを持っています。
優れた安定性で、食事も会話も思い切り楽しめる
アタッチメント義歯は、ご自身の歯やインプラントでしっかりと固定されるため、食事中にガタついたり、外れたりする心配がほとんどありません。
これにより、硬いものや粘り気のあるものも安心して噛むことができ、食事がより一層楽しくなります。
また、入れ歯が安定することで、発音もスムーズになり、会話がしやすくなるというメリットもあります。
美しい見た目で、自信を取り戻す
金属のバネが見えることがなく、自然な見た目を実現できます。
特に前歯に近い部分の入れ歯でも、入れ歯だと気づかれにくいため、口元を気にせずに笑顔を見せることができます。
健康な歯への負担を軽減
従来の入れ歯は、バネをかける健康な歯に負担がかかることがありました。
アタッチメント義歯は、力を分散させる構造になっているため、残っている歯への負担を軽減し、歯を長持ちさせることにも繋がります。
快適な装着感
アタッチメントの種類によっては、入れ歯の床の部分を薄く作製できるため、お口の中での違和感が少なく、快適に過ごせます。
また、アタッチメントがしっかりと固定されるため、入れ歯が動くことによる歯ぐきへの擦れや痛みも軽減できます。
他の入れ歯との違い
アタッチメント義歯とインプラント義歯は、どちらも入れ歯の一種ですが、構造と安定性に違いがあります。
アタッチメント義歯は、残っている歯や歯根にアタッチメントを取り付けて入れ歯を固定するものです。
一方、インプラント義歯(インプラントオーバーデンチャー)は、顎の骨にインプラント(人工歯根)を埋め込み、その上にアタッチメントを装着した入れ歯を固定するものです。
ご自身の歯が残っているかどうかによって、選択肢が異なります。
アタッチメント義歯は、見た目と安定性のバランスが非常に優れている点で、多くの患者さまに選ばれています。
比較項目 | アタッチメント義歯 | 金属床義歯 | ノンクラスプデンチャー | インプラント義歯 |
---|---|---|---|---|
見た目の自然さ |
非常に高い(金属バネが見えない) |
やや劣る(金属バネが見えることがある) |
非常に高い(金属バネが見えない) |
非常に高い(金属バネが見えない) |
安定性・固定力 |
非常に高い(特殊な装置で固定) |
高い(バネで固定) |
やや劣る(弾力のある樹脂で固定) |
非常に高い(インプラントで強固に固定) |
耐久性 |
高い |
非常に高い |
やや劣る |
非常に高い |
治療費用 |
比較的高額 |
比較的高額 |
中程度 |
非常に高額 |
外科手術 |
不要 |
不要 |
不要 |
必要 |
アタッチメント義歯のデメリットと注意点
アタッチメント義歯は優れた治療法ですが、いくつか注意すべき点もあります。
費用
自由診療となるため、保険診療の入れ歯に比べて費用が高額になります。
治療期間
精密な型取りやアタッチメントの作製が必要なため、従来の入れ歯よりも治療期間が長くなる場合があります。
MRI検査
磁性アタッチメントを使用している場合、MRI検査を受ける際に、アタッチメント部分の磁性金属が影響を与える可能性があるため、事前に歯科医師に相談し、必要に応じて入れ歯を取り外す必要があります。
歯の条件
アタッチメント義歯は、固定するための歯や歯根が残っていることが前提となります。すべての症例に適用できるわけではありません。
治療の流れと費用・リスクについて
治療費用 |
アタッチメントの種類、本数、お口の状態によって費用は異なります。 |
治療回数 |
5~10回 |
治療のリスク・副作用 |
違和感: 治療直後は、新しい入れ歯に慣れるまで違和感を感じることがあります。 |